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B10F

隣り合わせの灰と青春

 この B10F は、おそらく世界コンピューターゲーム史上、屈指の知名度を誇る“名”宮かも知れません。なにしろ「WIZ #1」は各機種版あわせ、20年間で累計500万本以上も出荷されているのです。この階で流された挑戦者の血と汗と涙と睡眠時間は、一体どれだけの量になるのやら。

 実際には迷宮といっても、七つの玄室がワープゾーンで数珠繋ぎになっているだけなので、辿り方がわかってしまえばまったく迷うことはありません。合計13か所ものワープゾーン(この数字の意味するものに留意せよ!)は、三つの種類に分けられます。まずスタート地点の「右」にあるのは、無条件に城へ戻される、この迷宮からの出口。そして各玄室の扉を蹴破った先の「右」に設けられた、六つの“振り出しに戻る”。この2種類の組み合わせで、パーティーはいつでも速やかに城へ帰還することができます。あぶない、と思ったら無理せず脱出して体勢を立て直すのが肝心でしょう。残る六つのワープは、次の玄室への通路に通じています。すべてのワープを辿った先にあるのが「ワードナの事務所」。洒落たメッセージがなんとも素敵。とにかくこのトビラを蹴破れば、いよいよ決戦と相成ります。

 さて、この B10F においては MALOR (M7) での「B10F 内に到達する」移動が禁じられています。これはむろん必ず「六つの守衛」と戦わせるための制限で、同時に DUMAPIC (M1) での座標確認も封じられています。もっともオートマップを有効にしていれば、これはさしたる問題にはなりませんが、そういう機能のない機種でのこの階のマッピングには難儀したものです。結局上の階へのテレポートは問題ないので、「現在の位置から上に9」を指定して B1F に飛び、そこで座標や方角を確認する方法が使われていました。

 そして全体の 55% もの面積を占める「岩盤」…。これは宝箱がモンスター以上に恐ろしい危険物であることの証左です。けれど貴重で強力な武具は、難度の高い敵の残した宝箱からしか見つけることはできません。いくらリセット技で回避できるにしても、画面に「STAR / 星型の物体」とでた日には、さすがに指がためらいますよね?(^^A; MALOR (M7) が使えるのなら、あえて石の中に飛び込んでから「石の中」メッセージが出ているあいだにリセットし(墓標が立ってからでは手遅れです!)、ゲーム再開後のキャンプで上のフロアに飛んで脱出するのもひとつの作戦。非常に危険な回収方法ではありますが…。
Message:1 / w1 (E0-N0)
金の飾り額に記されていたのは、伝言であった。
その言葉は彫りこまれており、さまざまな色に点滅していた。
“わかっておろうが、お前らは主なる魔術士ワードナの領地を侵しておる。
 お前らがオレの守りを破ることはできなかろう。
 ましてや、オレと戦って、勝とうなどとは夢にも思わんことだ!
 そこで、あわれなお前らにこんな手がかりを教えて進ぜよう。
 コントラ-デクストラ-アベニュー”
PS - トレボー サックス

INSCREIBED ON AN ORNATE, GOLD PLAQUE IS A MESSAGE.
THE SCRIPT IS ORNATE, AND BLINKS IN VARIOUS COLOR:
"YOU ARE TRESPASSING ON THE DOMAIN OF **WERDNA**.
 THERE IS NO POSSIBILITY THAT YOU CAN GET PAST MY GUARDIANS!
 SO SURE AM I OF MY DEFENSES THAT I GIVE YOU THIS CLUE:"
"CONTRA-DEXTRA AVENUE"
PS - TREBOR SUX!

 シュートで落ちてきた、この階のスタート地点でのメッセージ。「CONTRA」は“逆”、「DEXTRA」は「DE EXTRA」で“付属物でないもの”の意。つまり“付属物でないほうの逆を辿れ”と読めます。でもこれだけではチンプンカンプン(笑) 結論から言うとここでいう付属物とは「身につけているもの=装備品」であると解釈するのが一般的。あなたがいま持っている装備品はなんですか? 少なくとも武器と盾は持っているでしょう。武器はほとんどの場合、右利き用に作られているので右手に持ち、武器の付属物である盾は左手に持っています。ここまで説明すればもうお分かりですよね?

 なお、「SUX」とは侮蔑の意味を持つスラング(俗語)。まぬけ、臆病者、(股間が)役立たず、そういうたぐいのものです。

Warp Zone to CASTLE (E1-N0)
 踏み込むと、城に転送されるワープゾーン。

Warp Zone:1 (E1-N19, E2-N8, E8-N12, E11-N18, E17-N10, E18-N12) ⇒ M1 / w1 (E0-N0)
 踏み込むと、スタート地点に戻されるワープゾーン。必ず、各玄室に入ってすぐ右側にあります。上記の城へのワープゾーン(タクシー)との組み合わせで、パーティーはこの階のどこからでもすぐに脱出することができます。最後の、ワードナの事務所からを除いては…。

Warp Zone:2 (E10-N0) ⇒ w2 (E2-N14)
Warp Zone:3 (E0-N19) ⇒ w3 (E4-N19)
Warp Zone:4 (E10-N19) ⇒ w4 (E14-N17)
Warp Zone:5 (E10-N11) ⇒ w5 (E5-N10)
Warp Zone:6 (E19-N13) ⇒ w6 (E18-N9)
Warp Zone:7 (E14-N11) ⇒ w7 (E12-N5)
 七つの玄室と通路を結ぶ6か所のワープゾーン。最後のひとつが「ワードナの事務所」へ達します。どれもスタート地点へ戻れるワープゾーンとペアになって設置されています。

GURDIANS (E1-N8, E1-N18, E9-N12, E10-N18, E16-N10, E18-N13)
 守衛の一団×6。すべて突破しなければなりません。WS版では他機種版とは少々違って固定されたブランド・エンカウントになっており、玄室内で「冒険を中断」してフロア・リセットすると、トビラの前に進んだとたん戦闘に突入したりします。

 なお、パーティ内の誰かが「魔除け」を所持した状態でフロア・リセットし、「事務所」に行くと、通常のガーディアンとのエンカウントになります(宝箱も出ます)。

Message:2 (E3-N14)
守衛の一団は退治したであろうが、まだまだおるぞ!
引き返せ、できるうちに、死ぬ運命にあるものたちよ!

ONE GROUP OF GURDIANS HAVE BEEN DEFEATED, BUT THERE ARE MANY MORE.
TURN BACK WHILE YOU CAN, FOOLS!

 かといって大人しく引いてたら、何時までも目的は達せられない。それ以前にこのメッセージを読んだ時点で、少なくとも一戦交えないと脱出できなかったりするんですが──。英文での最後の一言は「バカめ!」とヒネリも何もなし。

Comment:1 "Vergin Area" (E11-N19)
 この1マスは、目の前に見えていながらふたつのワープゾーンに挟まれているため、意図的には決して踏めない(オートマップできない)未踏の「処女領域」になっています。MALOR (M7) は意図的であれ、戦闘中の使用であれ、B10F 内での移動ができませんから、宝箱のテレポーターに意図的に引っかかるより他に方法がありません。それでも成功確率はたった 1/800。ちなみに 約 25%の確率で石の中に飛び込み、約 30%の確率で B1F の階段前(E0-N5)に飛ばされます。かくいう著者もいまだ成功例なし。従ってこのマスが「実は透明な岩盤である」ウワサを否定できないのでありました(^_^;

 まさかターンテーブルや魔封じがあったりしないだろうなぁ…。
※ 何人かの方から情報を頂きまして「ここは何もない普通の床」であることが確定しました。実際にここへテレポートしてしまった方から証拠写真(!)を頂いたりもしており、皆様の御協力に感謝します。

Message:3 (E17-N4)
壁の標識には、“邪悪な魔術士ワードナの事務所”
営業時間はAM9時からPM3時
今、ワードナは *在室中*

A DESCREET SIGN ON THE WALL READS:
LAIR OF THE EVIL WIZARD WERADNA! OFFICE
HOURS 9AM TO 3PM BY APPOINTMENT ONLY
THE WIZARD IS *IN*!

 ワードナの事務所前。「アポイントが必要」(英文)って、どこで受け付けてるんすか、そりゃ。しかし自分を指して「邪悪」と称すわ、営業時間外はヤル気ないのやら、人を食ってる看板。

 FC版ではワードナを倒してしまうと“不在”に書き換わってしまいました。むろん WS版では何度でもヤれます。

X (E17-N3)
 いよいよ決戦。迎えてくださるのは以下の方々。

#NAMEGR
096WERDNA1
095VAMPIRE LORD1
086VAMPIRE1-4
085VAMPIRE0-4
 お供の VAMPIRE は最小1体から最大8体出現します。ヤバイ、と思ったら逃げたいところですが逃げられるわけがないのは言うまでもありません。TILTOWAIT (M7)MADALTO (M5) が容赦なくカッ飛んできます。しかも連中には呪文無効化能力があるし…。ただし、VAMPIRE LOAD にだけは呪文無効化能力がありません。そこで彼には ZILWAN (M6) をお見舞いし、WERDNA にはイチかバチかの BAMADI (P6) プラス前衛の集中攻撃、手すきのものがありったけの攻撃呪文を VAMPIRE にくれてやることになります。
 それでも、連中に先制攻撃を喰らった場合は……まあリセットしちゃってもいいのですが、エナジードレインを貰ったら全滅する前に MALOR (M7) で脱出する「マロール逃げ」も有効な手でしょう。この場合はかならず B1F のどこかにテレポートします(石の中に実体化することは、ありません)。それで宿屋に泊まるとドレインされた分だけレベルを取り戻せ、少なくとも以前よりはHPや属性値が上昇する可能性があります。
 さて、見事彼らを殲滅すると、AMULET of WERDNA が入手できます(宝箱はなく、直接誰かが拾います)。こいつを地上に持って帰ればめでたくエンディングですが、「事務所」内のどこを探しても出口はありません(GBC版では例外的にワープゾーンがあるそう)。ここから脱出するには、いうまでもなく MALOR (M7) が必要。たとえレベル7の MPが尽きていても大丈夫、キャンプ中に、たったいま拾った「魔除け」を使えば問題なし。脱出座標は「真上に9」で B1F へ飛ぶのが常道ですが、ワードナを倒したその場所で「西9南1上1」とすると「シュート!」して、例のスタート地点に戻れます。もっと簡単に脱出したいなら、トビラと反対の部屋の隅(E19-N1)に移動して「真上に1」飛ぶと、B1Fの入口階段のすぐ目の前にジャンプできます。

Ending Message:
ひとりの屈強なドワーフが現れて告げた

** おめでとう **

きみたちは大君主トレボーの試験に合格した。

ワードナの魔除けを取り戻したことにより、
トレボーは諸君に 50,000 の経験値と金を与えたうえに
諸君を近衛兵の将校に任命しました。

誇りを持って階級章(>)を付けるように。

ただし、諸君は更なる鍛錬を続けなくてはならない。
トレボーは限りなくレベルの高い衛兵を必要としているのです。

そしてそれは…
新たなる冒険への準備でもあるのです。



* * CONGRATULATIONS * *

YOU HAVE RECOVERED THE AMULET
AND PASSED THE OVERLOAD'S TEST!

AS A REWARD, THE MAD OVERLOAD
HAS GRANTED YOU 50,000 G.P. AND E.P!

HE HAS ALSO INDUCTED YOU INTO HIS ELITE GUARD.
WEAR THE CHEVRON OF RANK (>) WITH HONOR.

!END!

 WS版のエンディングメッセージ。英語と日本語とで、ぜんぜん違うんですけど…(^^A;
 余談ですが、Appleオリジナルでは 25万 GPでした。ちっ。


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